今ではない時、此処ではない場所…母なる星コーラルに生きる人類は、滅びの刻を迎えようとしていた。絶え間無い戦争、混迷する政情、資源の枯渇、差別と貧困…そして惑星規模での環境破壊。しかしそれでも人は、遥か宇宙の彼方に希望の光を見出す。銀河の最果てに青く輝く、惑星ラグオルへの星間移民…パイオニア計画。暗雲渦巻く未開の新天地を駆け抜けた、英雄達の勇気と英知を記し伝えよう…この物語は、過渡期を迎えた人間達が、明日無き未来へと生を紡ぐ、その日々を綴った年代記である。
諦めと開き直りが、少しだけ書き手を前向きな気持ちにさせる。つまりは、出来る事をやるしかないのだと。失敗への最善の対策は「何もしないこと」だと今も確信する一方で。失敗の恐怖に怯えながら筆を取る…度し難い事だと笑う俺は、もう最悪の状況を抜け出たらしい。