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・傭兵団《鉄騎》
 西シュレイド地方では有数の猟団で、かなりの規模の組織である。腕利きのモンスターハンターを多数従え、自分達での狩りの他、他国への戦力派遣等を生業にしている。狩人ながら「傭兵団」を名乗る所以がそれで、地域紛争から古龍討伐、交渉から武力行使までその業務は多岐にわたる。
 現在の団長はクレア=ライネックス。彼女を中心に、幹部である親衛隊、現場指揮官である百人隊長、その補佐をする十人隊長で構成されている。彼等彼女等は一人一人が一騎当千の手練で、弱小国が戦争や古龍討伐をするなら鉄騎を雇うのが一番安上がりで堅実だ。勿論、その報酬はかなりの高額になるが、勝利請負人的な側面もあり信用があるため依頼者は絶えることはない。

・シキ国朝廷
 前作の舞台であるユクモ村があるのは、架空の国である冴津。これがまあ、藩のようなものだと思って欲しい。シキ国は内側に多数の藩があり、それを束ねているのは朝廷と帝である。しかし近年は支配力が弱まり、各地の豪族や武将が台頭してきている。そのため、モガの島に眠るロストテクノロジーを求める闘いに朝廷も介入し始めた。朝廷は多くの宮家からなっており、その中でも有力三巨頭を三大宮家と言う。ルーンがこのあたりの知識に詳しいあたり、今までかなりの数の人間がモガの森に送り込まれ、帰らぬ人となったのだろう。

・モガの森
 普段からモンスターハンター達が孤島と呼んでいるモガの島。その大多数を占める未踏の深い森をモガの森という。ゲームでは孤島と同一マップだが、本作では独立した不思議な空間になっている。多くの都市伝説を持つ謎の森で、地元の民であるモガの村の住人達も滅多に足を踏み入れない。そこでは不可思議な生態系が奇跡のようなバランスを保っており、同一場所に共存しない筈の飛竜達が共に暮らしている。何故、このような場所が存在するのか? その答えは物語が進むにつれ明らかになるだろう。

・ドンドルマ
 西シュレイド王国内部にあって、異例の治外法権を許された謎の城塞都市。古龍の襲撃を前提に作られており、大老殿と古龍観測所、二つの組織によって防衛戦闘が定期的に行われている。
 何故、ドンドルマには定期的に古龍が襲来するのか? そもそもドンドルマは、かつて古塔がそびえていたパワースポット、龍穴の真上に位置する。それ故、流れこむ龍脈に導かれて様々な古龍が襲来するのだ。それを監視、迎撃するべく組織されたのが古龍観測所で、表向きは観察を名目としているが、実際には人外の所員を多数従える超戦闘集団である。また、モンスターハンターの中にも大老殿お抱えの者達がおり、一騎当千の戦闘力を持っているという。西シュレイドの中にあって独立国のように振る舞えるのは、そうした力を持っているからかもしれない。

・西シュレイド王国
 古きシュレイド王家の血を守る、立憲君主制の国家。その名の通り旧シュレイドの西側半分を領土とする。その歴史は意外に浅く、数百年前に旧シュレイドが謎の滅亡を遂げた折に、王家の末裔が生き延び興した国であるという。今もって国王が全権を掌握し、古き伝統を重んじて民を治めている。ハンターズギルドにある程度の権益と自治を認める傍ら、王立学術院の書士達による知の探求にも意欲的な国である。首都は王都ヴェルド。
 この所は名君による平和な統治が続き、王室への国民の信頼は厚い。現在の王も名君で知られ、強力な騎士団を複数持ちながらも、隣国との諍いを避け善政を布いている。王妃も慈悲深く人気が高い。また、聡明で文武両道の第一王女、知略に長けた第二王子、我侭な第三王女と、子宝にも恵まれた。

・王立学術院
 西シュレイド王室直轄の知的探求機関。多くの書士を世界各地へと派遣し、飛竜や野生動物の生態から旧世紀の遺跡や遺産等、様々な分野を研究している。その権限は驚く程に強く、王立学術院の書士達は国内であれば、かなりの越権行為が許される。故にエリート集団と言っても過言では無い。書士達はハンター達同様自然に分け入り現地調査をする者と、王城内の書庫で資料の整理や分析、ディスカッションをする者とに分けられる。
 王立学術院に関しては、巷でこのような噂がまことしやかに囁かれているので紹介する。曰く、彼等彼女等こそが、王室が騎士団とは別に、独自に保有する最終戦力なのだと。王城の工房より最新の武具を取り揃え、一流のハンターや騎士達に劣らぬ猛者揃いの戦闘集団……その力は王家を守る為だけに存在する。あくまでも噂であり、真偽の程は定かでは無いが。

・龍脈と龍穴
 かつてラグオルと呼ばれたこの星を、縦横無尽に走る巨大な氣の流れ。人はそれを龍脈と呼ぶ。龍脈からは目に見えぬ強力な氣が湧き出ており、その流れは星の隅々まで巡り……龍穴と呼ばれるパワースポットへと注ぐ。龍脈および龍穴は、地政学的にも重要な地であり、どちらも農耕や畜産等に多大な恩恵を与える。一方で、氣の力を求めるかのように、龍脈や龍穴には古龍が襲来するという側面も併せ持つ。
 太古に栄えた先史文明では、龍穴に塔を立て、龍脈を制御する事で惑星の環境を制御しようとしていた。また、塔より龍脈の氣を吸い上げ、古龍達を防衛システムとして運用していた様である。そのシステムは完璧な惑星管理を行っていたが、何らかの理由で暴走し、先史文明の人類に牙を向いたのだ。その長き混迷の時代を、今は御伽噺や民話伝承の中に垣間見る事が出来る。

・ケースD
 それは人智を超えた絶対強者、世界のヒエラルキーの頂点に君臨する古龍達との闘争の歴史。統一シュレイドの時代より脈々と紡がれて来た、人間と古龍の壮絶な死闘を克明に記録した文献である。その時代その時代で、如何に人類が古龍の脅威と戦って来たかを、その手段や状況、使用された兵器や武具までが詳細に記録されている。このケースDを参考に、大老殿の長老が築き上げたのが対古龍迎撃用城砦決戦都市ドンドルマと、古龍観測所である。
 ケースDのDとはドラゴン(Dragon)のDであり、災厄(Disaster)のDを指す。その余りに壮絶な内容から、一般への公開は愚か、学術院の一般職員ですら存在を知らされていない。それ程までに古龍との闘争は、人類にとって過酷だが避けられぬ試練なのだ。正しく種の生存を賭けた闘いと言ってもいいだろう。その永き闘争を生き抜くべく、人類が英知を結集して後世に残す、未来への遺産……それがケースDである。
 余談だが、近年このケースDに新たな一頁が加えられた……それも驚くべき内容が。古龍迎撃用の設備を一切持たぬココット村で、老山龍の撃退に成功したというのだ……しかも、僅かに数十名のモンスターハンター達の手で。現在西シュレイド王国では、この事実を確認すると共に、決定打となったとある少女の行方を全力で捜索中であるが……その足取りは掴めて居ない。

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